メモを取るって大変だと思っていて。なんか、取っているうちに肝心なことを取り落としちゃう感覚がある。でもこれはメモを取っているからこそ知覚出来ていて、メモを取らなければもっともっと記憶から今この瞬間が抜け落ちているのだと思う。
己の喪失を自覚するのは怖い。人は失う痛みに弱い。それは数多の実験で示されてきたことで、人生でも痛感することで、せめて得る喜びと失う悲しみが同じ大きさなら良かったのになぁと思わずにはいられない。
メモを取る人は、失う恐怖を受容出来た人なのだとむしろ思う。私はメモを取るぞと意気込んでは手のひらサイズのメモ帳を買って、そして部屋の隅に置いたままになってしまう。そんなことを机横のメモ帳10冊セットを見ながら思った。